インタビュー
お話しいただいた方
マネックス証券株式会社
システム開発三部
マネックス・ラボ マネージャー
佐藤 俊介 様(写真右)
システム開発三部
マネックス・ラボ
山本 天河 様(写真左)
マネックス証券株式会社
システム開発三部
マネックス・ラボ マネージャー
佐藤 俊介 様(写真右)
システム開発三部
マネックス・ラボ
山本 天河 様(写真左)
目的・背景
アシアルへferciのアプリ開発をご依頼頂いたのはなぜでしょうか?
- 佐藤様
- ferciの企画は2018年暮れから始まりました。マネックス・ラボでは資産運用に役立ついくつかのツールを作っており、ferciもラボの一環です。マネックス証券ではすでに総合的なアプリをリリースしていて、そこでアシアルさんにアプリ開発を依頼したことがありました。若年層向け・初心者向けのアプリを作ろうと考える中で、弊社からの要求通りに開発するだけでなく、アイデアも出してくれながら相互にやりとりをし合える企業であるアシアルさんにお願いすることにいたしました。
アシアルさんにはフロントエンドの開発をお願いしたのですが、スマートフォンをメインに利用する世代に向けてのアプリにして頂きたいと考えていました。当社ではWebのサービスを中心に行なっていたこともあり、スマートフォンアプリをどのように作るか知見が足りません。アシアルさんはその経験が豊富なので、アドバイスを頂きながら進められればと思っていました。
プロジェクト立ち上げ時点での課題は何かございましたか?
- 山本様
- 当時、国内でもスマートフォン向けの証券サービスが台頭してくる中で、弊社としても若い人に投資をしてもらえるようにしっかりとアプローチをしていく必要がありました。また、当時はすでに仮想通貨ブームが訪れてきていました。投資経験が無かった人が仮想通貨の取引を経験している状況で、そうした人たちの次のステップとしても投資に目を向けてもらう必要がありました。
若年層に使って頂くには少額・少ない株数でも取り扱えるようなサービスが必要です。また用語が専門的になってしまうと初心者の方にはハードルが高いため、アプリを使って10万円程度の資金から投資を体験できるアプリをリリースしたいと考えていました。
プロジェクトの進み方
アプリ・サービスはどのようにリリースしていきましたか?
- 山本様
- デザインは私が担当し、システム周り・サーバーサイドは佐藤のチームで担当しました。デザインのプロトタイプを作り、それを見ながら実装をどんどんすすめていきましょう、という流れで進めて行きました。金融商品を扱う証券会社としてはアジャイルで進めるのは難しいのですが、ウォーターフォールよりはアジャイルに近い形でスピーディーに取り組むことができたのではないかと思います。
- 佐藤様
- まずiOSで一通りの機能をリリースし、それからWeb版・Android版へと展開しました。短期間でリリースすることを優先してその順番にしましたが、2020年の12月にはAndroid版のリリースも実現できました。
2019年の6月には株価を参照できる機能でリリース、9月にはSNS機能も公開できました。
- 山本様
- 取引機能の実装は社内システムのAPIとの兼ね合いがあり、実装の工数もテストも大がかりなものになります。それよりは小さく・新しい機能を次々にリリースしてきたい、利用動向を確認しながら細かく進めて行きたいと考えていました。
- 佐藤様
- アシアルさんから参画してくれたメンバーの方からも、ferciをより良くしたいという気持ちが伝わってきました。
2019年12月には投資機能も実装。その後、Web版・Android版とリリースが続いたのでしたね。
- 佐藤様
- ferciはまずiOSで投資機能までをできるだけ早くリリースし、Web版やAndroid版はその後、というスケジュールで開発を進めていました。
- 山本様
- 2020年の始めにAndroid版の開発を始め、12月にはリリースできました。OSの違いをどう吸収していくかは、アシアルさんにとても協力して頂きました。OS毎の特徴に合わせた画面デザインを作るのがベストとはわかりながら、1からデザインを作り直さないで済むようなアドバイスをして頂きました。
アシアルとの開発はいかがでしたか?
- 佐藤様
- タスク管理はJIRA、ミーティングはGoogle MeetやSlackを使いながら、常にコミュニケーションを取るようにしていました。アシアルさんは以前からオンラインミーティングをされていたようですが、私は初めてでとても新鮮だったのを覚えています。チャットのやりとりはレスポンス良く、打ち合わせをスムーズに進められました。
- 山本様
- プロジェクトの途中で新型コロナの問題が出てきてしまいましたが、その前からリモート中心での打ち合わせだったので、プロジェクトを違和感なく進めていくことができました。コミュニケーション面が開発の足かせにはなりませんでした。
- 佐藤様
- アシアルさんがferciのサービスに精通し株取引について知って頂けることで、実装に即した例外ケースなどもご提案頂けました。
リリース後の反響、今後の展望
段階的なリリースを継続的に行なってこられましたが社内外の反響はいかがでしたか?
- 山本様
- 障害などは発生しておらず安定して稼働しています。リリース直後は弊社のアプリで最も評価が高く、今も高水準です。経営層からも20代・30代に向けてのアプリという認識と、ターゲット層にリーチしていることを共有できています。
ferci経由で証券口座を新規に作った20代の利用者の割合は、全体と比べて2.5倍にも上ります。アプリの狙い通り、少額取引が80%を占めていますし、預かり資産も一人当たり10万円以下の割合が多いですね。2021年7月には単元未満株(全国の証券取引所で統一している、100株という株式の売買単位よりも少ない単位で投資できる、証券会社各社の取り扱う株式)取引の買付手数料を無料にしたことから、アプリでの取引も活発になってきました。若い方だけではなく、弊社の既存のお客さまにもアプリを使って頂いています。知識のあるそうしたお客さまのSNS投稿が若い方の役に立っているようで、炎上などなく運営できています。
アプリの開発や機能追加で、課題や今後の展望などはございますか?
- 佐藤様
- iOSとAndroid、両OSの開発が始まってからは、アプリのリリースが少し重くなっています。機能追加は今も進めているので、初心者の方や少額投資の方向けの機能を短いスパンでリリースしていきたいですね。
開発したアプリの紹介
「ferci(フェルシー)」は、マネックス証券様が提供する投資SNSと、1株から投資できる投資機能が一つになったアプリです。投資SNSで投資家と話したり勉強したりすることができ、そこで得た投資アイデアは注文したい株数を入力するだけですぐに試せます。
アシアルでは以下の点をポイントとして開発しました。
- アジャイルに近い形での開発
アプリを試行錯誤しながら小さく段階的にリリースしていくために、マネックス証券様が追加したい機能からタスクを洗い出し、優先度をつけることで迅速なプロジェクトの進行を実現しました。 - 銘柄・クチコミ一覧にチャート表示
銘柄・クチコミの一覧にチャートが表示され、チャートの動きを一覧できるようにしました。 - 投資SNS
クチコミの投稿・閲覧ができ、投資家のためのコミュニティに参加できます。
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