目的・背景
群馬県立小児医療センター様では、コロナの流行が始まった時に情報を頻繁に更新する必要性がでてきたり、対面での説明が難しくなったりしていました。当時のWebサイトは凄くシンプルな作りで、機能も情報も少ない状態でした。そこで、Webサイトで色々な情報を更新頻度高く伝えることができれば患者さんとのコミュニケーションもスムーズになると考えられていました。また、リクルーティングの面でも就職を希望してくれるドクターや看護師さんに情報をお伝えしていくのに、コロナ前であれば直接医院に見に来てもらう機会を作れたのですが、コロナが流行してからはそれもできなくなってしまったので、Webサイトの重要性がより上がりました。
アシアルの提案は、院内でも更新作業が負担にならないシステム設計と内製化の支援、そして必要な情報にアクセスしやすいUX/UIデザインを提案したことが評価され採用されました。
インタビュー
群馬県立小児医療センター
感染制御室室長感染科 診療科長
感染症科 診療科長
清水 彰彦 様(写真左)
事務局 総務課
船山 晋 様(写真右)
アシアル プロジェクトマネージャー
和田 記光
ご依頼のきっかけ
Webサイトをリニューアルするきっかけを教えてください。
- 清水様
- 当時はコロナの影響でお知らせを毎週のように出さなければいけなかったり、病院のルールを頻繁に変えていたので更新のしやすさは非常に重要でしたが、当時のWebサイトでは更新するのに管理会社さんへ依頼してからWebサイトに反映される流れでしたので、どうしてもタイムラグが発生していました。当院でもコロナの患者さんを受け入れるようになり、外国籍の患者さんへの案内は電話では難しかったので入院案内を多国籍の言語で用意したり、新しい受け入れ態勢を作ったり、どんどん新しい対応が増えてきてWebサイトともずれが無いように反映していくのが大変でした。
- 船山様
- 必要な情報になかなかたどり着けないという課題を感じていましたので、なるべく早い段階で情報にたどり着けるデザインにしていきたいと思っていました。色々な会社さんから提案をいただきましたが、デザイン性やサイトの構成など総合的に良い企画を提案してくれたアシアルさんに決めました。
- 和田
- ご提案はヒューリスティック調査から得たアイディアと情報設計を踏まえて提案できたのがよかったのかもしれません。
プロジェクトの進み方
開発する中でご苦労された部分や思い入れのあることはありますか?
- 船山様
- 開発当時はコロナ最盛期で、清水先生は感染症担当なので最前線でコロナ対応されていましたが、多忙な中でもWebサイトに必要な情報をまとめてくれていました。その中で、和田さんの方でも他院のWebサイトの事例や、そのうえで当院のデザインをこうした方が良いなどのご提案をしていただき上手く連携を取って進められたのが良かったです。
- 和田
- 船山さんが先ほどおっしゃっていた通り、清水先生が一番お忙しかったはずなのに原稿依頼から写真撮影の手配までしてくださり、逆に私の方が助けてもらっていました。清水先生も船山さんも凄く柔軟に対応してくださり、開発中は課題も共有しながら解決策を建設的に話せたのも凄くありがたかったです。
- 清水様
- ページ数が当初想定していた2倍ぐらいの量になり、原稿を各所から集めるのが大変でした。また、原稿が集まっても、どこにどのような情報を配置するとわかりやすいのか、自分ではWebサイトの構造自体もよく知らない部分もありましたので、それを和田さんが凄くアクセスの良いサイト設計をしてくれて、こういう風にすると情報にアクセスしやすいんだなと一緒に作りながら私も勉強できました。
リリース後の反響
完成したWebサイトの品質や、公開後の反響はいかがですか?
- 清水様
- とても直感的に操作しやすいですし、情報の分類もしっかり設計されていてアクセスしやすくなりました。今回の開発では病院の組織構造を理解してもらって開発していただけたのでWebサイト全体が見やすくなったと思います。
- 船山様
- 情報がどうしても多くなってしまうので、複雑になってしまうのかなと思ったのですが、完成したWebサイトを見てみると必要な情報はしっかり掲載されていて、だけれどもすっきりとしたデザインになっていたのは良かったです。
- 清水様
- 患者さんからの評判も凄く良いです。ここのページにこういう情報が載ってたなどの声も実際にいただいて、よくWebサイトを見ていただいているなと感じました。また、同業者のドクターも見ていてくれていて、病診連携で患者さんを当院に紹介していただくフローをWebサイトに掲載したのですが、その情報を見て紹介してくれるのでスムーズに連携することができています。
- 船山様
- Webサイトのアクセス数も伸びていて、私も周りの方々からWebサイトが見やすいと反響の声をいただくことが多いです。
今後の展望
今後の展望やアシアルに期待することはありますか?
- 船山様
- リニューアルは終わりましたので今後はマイナーチェンジも続けていきたいと思っています。当初の開発期間でここまで良いWebサイトになったので、今後も更新を続けていくことでより良いWebサイトになっていくと期待しています。
- 清水様
- 病院はアナログな部分が凄く残っていて、今回はWebサイトでそのアナログな部分の一部をデジタル化できたのですが、たとえば初診の問診を紙の手続きからデジタル化したり、当院のアプリを作ってそこで事前の健康チェックを受けるとQRコードが発行されて入院時のチェックに使えたり。私たちでは持っていないデジタル化の知見がアシアルさんにはあると思いますので、少しでもアドバイスもらって変えていければと思います。
- 和田
- お二人の今後の構想を聞くとワクワクしてきますね。私自身も病気にかかって不安な日々を過ごした経験があるので、先ほどの構想が実現して診療がスムーズになったり、患者さんの不安やストレスが軽減されるようなものを一緒に開発できると嬉しいなと思います。
※インタビュー実施:2023年2月
開発したWebサイトの紹介
群馬県立小児医療センター様のWebサイトは、患者・患者家族・医療関係者・就職希望者の皆様が多くアクセスしてきます。新しいWebサイトは、そういったユーザーの方々が必要な情報に、容易にアクセスできる導線や設計がされたWebサイトになりました。
アシアルでは以下の点をポイントとして開発しました。
- 緻密な競合調査と情報設計
参考となる他院のWebサイトを調査してレポートにまとめ、そこからクライアント様と協議して要望やリニューアルに活かせそうなアイディアなどを洗い出しました。その後、現状把握として既存サイトの階層構造を洗い出し3〜4階層程度のサイトマップを作成。そこから、ユーザーにとっての必要な情報や前面に出していきたい情報、競合調査で出たアイディアなどを踏まえ、新しいサイトストラクチャーを作成しました。 - ユーザー属性にあわせたUI/UXデザイン
トップとメインとなる数ページをワイヤーフレームとして作成し、ユーザーにとっての必要な情報や前面に出していきたい情報、またそれ以外の情報をどこにどのように掲載するかなど、クライアント様と密に協議して決めました。作成したワイヤーフレームから複数のデザイン案を提案し、情報がしっかりとユーザーに伝わるかなど、クライアント様と協議しながら最終デザインを仕上げていきました。 - 更新しやすいCMSの実装と内製化支援
リリース後にクライアント様が自らWebサイトを更新できることが条件になっていましたので、CMSの選定から協議し、普及率や他院での使用率も踏まえてWordPressで構築することに決定しました。また、リリース後にクライアント様が自らWebサイトを更新できるよう、ページの作成方法や頻繁に修正する箇所の更新方法をまとめたマニュアルを作成しました。
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