背景・課題
アサイン業務では、案件情報、メンバーの稼働状況、スキル、案件特性、顧客の発注状況など、複数の要素を組み合わせて検討する必要があります。単に空いている人を案件に割り当てるのではなく、プロジェクト同士の関係性やメンバーの経験、チーム構成、今後の見通しまで踏まえた判断が求められます。
こうした情報は時間とともに変化し続けるため、関係者が同じ状況を見ながら、共通認識を持って検討できる仕組みが必要でした。
課題
- アサイン検討に必要な情報が多岐にわたり、全体像を把握しづらい
- 案件の状況やメンバーの稼働予定が変化しやすく、見通しを立てにくい
- 複数条件を踏まえた判断を、関係者間で共有しながら進める必要がある
戦略・アプローチ
本プロジェクトでは、アサイン業務を「案件・メンバー・稼働状況が時間軸上で変化するリソースプランニングの課題」として捉え、インタラクティブなタイムラインUIを中核に設計しました。
静的な画面設計だけでは、ズーム、スクロール、固定表示、状態表現といった操作時の使い勝手を検証しきれないため、ブラウザ上で実際に動くプロトタイプを構築しながらUIを調整。さらにClaude Codeを活用し、技術選定や実装方針の検討、UI改善の整理を効率化しました。
AIの提案を人が評価しながら、複雑なアサイン状況を同じ画面上で検討できるプロトタイプへと具体化しています。
具体的なアプローチ
- アサイン業務を複数条件を踏まえた業務判断と捉え、アサインする側・される側双方の視点から必要な情報と見え方を整理
- 既存業務に追加負荷をかけないよう、既存情報を活用する設計方針を採用
- 静的なワイヤーフレームではなく、インブラウザデザインでタイムラインUIの操作体験を検証しながら構築
- Claude Codeで実装を加速しつつ、AIの提案は人が評価して業務適合性を判断
プロジェクトの歩み
時間軸で変化するリソース配分を、直感的に把握できる形へ
アサイン業務は、単なるスケジュール調整ではありません。案件ごとの開始時期や発注状況、メンバーの稼働予定、スキル、経験、チーム構成など、複数の条件を組み合わせながら判断する必要があります。
このプロジェクトで最初に向き合ったのは、そうした複雑な判断を、どのように「見える形」にするかという課題でした。アサインする側にとっては、多くの情報を整理しながら判断する負荷があります。一方で、アサインされる側にとっても、自分が次にどの案件に入るのか、今後の稼働がどう変わるのかが見えにくいことは、不安や準備のしづらさにつながります。
そこで本プロジェクトでは、案件とメンバーの状況を時間軸で捉え、同じ画面上で確認できるタイムラインUIを構想しました。情報を一覧として並べるだけではなく、誰が、いつ、どの案件に関わるのかを直感的に把握できる形にすることで、アサインする側・される側の双方が状況を共有しやすくすることを目指しました。
静的なワイヤーフレームではなく、動くタイムラインで検証する
タイムラインUIは、静的な画面だけでは使い勝手を判断しづらい領域です。表示期間を拡大・縮小したときにどう見えるか、横スクロールしたときに重要な情報を見失わないか、確定情報と未確定情報をどう区別するか。こうした細かな調整は、実際に動かしてみることで初めて見えてきます。
そのため、最初からFigma上で詳細なワイヤーフレームを作り込むのではなく、ブラウザ上で動くものを作りながら検証する「インブラウザデザイン」で開発を進めました。現在時刻ライン、未確定アサインの表示、プロジェクト名の固定表示、ドリルダウン時のアニメーションなど、使いながら必要性が見えてきた要素を一つずつ反映しています。
これは、短期間で形にするための手段であると同時に、複雑な業務を実際の操作体験として理解するためのプロセスでもありました。画面を作ることそのものが、業務の構造を整理し、関係者と共有するための手がかりになっています。
Claude Codeで実装を加速し、人が業務適合性を判断する
開発では、Claude Codeを活用し、技術スタックの選定や実装方針の検討、UI改善の整理をAIと対話しながら進めました。通常であれば実装負荷の高いタイムラインのズーム、スムーズなスクロール、ドリルダウン時のアニメーションなども、AIの提案を活用することで短期間で形にしています。
一方で、AIにすべてを任せたわけではありません。AIが提示する複数の選択肢に対して、どの技術を採用するか、どの表示が分かりやすいか、どの操作感が使う人にとって自然かを判断するのは人の役割です。
今回の開発では、AIを「実装を代行する存在」としてだけではなく、人が体験設計や意思決定に集中するためのパートナーとして活用しました。AIによって開発スピードを高めながらも、最終的な使いやすさや業務への適合性は、人が判断しながら調整しています。
プロトタイプが、実運用を見据えた議論を引き出す
完成したプロトタイプを事業部会で共有したことで、関係者は抽象的な構想ではなく、実際に動く画面を見ながら議論できるようになりました。
画面を見たメンバーからは、従業員一覧ビューの分かりやすさや、取引先ビューの表示方法など、実運用を見据えた具体的なフィードバックが寄せられました。単なる感想ではなく、「この表示なら状況を把握しやすい」「ここは別の見え方にしたい」といった意見が出るようになったことで、プロトタイプは改善のための共通言語になりました。
このプロジェクトを通じて見えてきたのは、AIを活用したプロトタイピングが、開発を効率化するだけでなく、関係者の理解をそろえ、議論を前に進める力を持つということです。
アサイン業務のように、判断要素が多く、関係者によって見ている情報が異なりやすい領域では、まず動くものをつくることが大きな意味を持ちます。プロトタイプを起点に、業務の見え方や使い方を具体的に検討できる状態をつくれたことが、本プロジェクトの重要な成果の一つです。
実績・成果
プロトタイプの共有を通じて、AIと可視化を活用したアサイン業務支援の可能性を確認しました。 実際に動く画面をもとに議論できるようになったことで、関係者から具体的な改善意見が集まり、実運用に向けた次の検討へとつながっています。
今後は、AIによるアサイン候補の提示や、自然言語で状況を確認できるAIチャット機能の拡張を進め、複雑なアサイン業務をより見通しよく、扱いやすくする社内システムとして成長させていく予定です。
プロダクト概要
アサイン業務支援システム
本システムは、案件・メンバー・稼働状況をタイムライン上で一元的に確認できる、アサイン業務支援システムです。
案件ごとの開始時期や進行状況、メンバーごとの稼働予定、確定・未確定のアサイン情報を時間軸で可視化。複数案件が並行する状況でも、誰がいつ、どの案件に関わっているのかを直感的に把握できます。
主な機能
- 案件・メンバー・稼働状況のタイムライン表示
- 確定・未確定アサイン情報の可視化
- ズームイン・ズームアウトによる期間表示の切り替え
- 横スクロール時にも情報を追いやすい固定表示
- プロジェクト詳細を確認できるドリルダウン表示
- 将来的なAIアサイン提案・AIチャット機能への拡張
活用技術
Claude Code | D3.js | React | TypeScript | Framer Motion | Hono | Bun | Prisma | MySQL | Vite
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